さまざまな「助けあい」で、新しい年を迎えたい

東日本大震災復興対策本部 田村太郎

 東日本大震災から9ヶ月が経ちました。被災地でもいよいよ、冬本番を迎えます。震災直後に内閣官房に設立された「震災ボランティア連携室」は、9月にその活動を政府の「東日本大震災復興対策本部」に引き継ぎ、現在も被災地のニーズの把握やボランティア活動の促進に必要な情報の収集と発信にあたっています。
 「震災ボランティア」といえば、災害発生直後のニーズに注目が集まりますが、復興への道のりはこれからも長く続きます。仮設住宅での生活や復興まちづくり支援には、今後もさまざまな「助けあい」が必要です。復興の主役は被災地に暮らす人々ですが、他の地域からの支援やボランティアによる力や知恵が、復興を後押ししてくれれば心強いです。

 阪神・淡路大震災では、避難所から仮設住宅に生活の場が移り始めたころから、ボランティアの数が急減しました。3月から4月になって年度が替わったことや、地下鉄サリン事件などで世の中の関心が被災地に向かなくなったことなどが原因と考えられますが、仮設住宅などに被災された方の生活の場が移ると「もう支援は不要」と考えられてしまうことも、ボランティアが減る原因かと思います。
 もちろん、物資の仕分けや津波で汚れた家屋の清掃といった活動は、震災から日が経つほどに少なくなります。一方で、仮設住宅でのコミュニティ形成や、自宅に戻った人のニーズの把握には、これまで以上に丁寧な活動が必要となります。また、被災地に暮らす人々自身による自助的な活動も増えてくるので、外からの支援とのバランスにも配慮が必要です。

 いま被災地の各地で、集会所などを活用した「お茶会」活動が盛んに行われています。仮設住宅でのコミュニティづくりに大いに有効な活動ですが、参加者が固定化していて一度も出てこない人がいるという声も聞かれます。大勢で集まってお話しするのが苦手な方もおられます。とくに男性は、女性よりも孤立しがちです。囲碁や将棋などの趣味の会や、大工仕事や花壇づくりなど、多様な活動があってはじめて、多様な人が参加して顔の見える関係が形成できます。
 また、年末年始は仮設住宅での見守り活動が休みになったり、外部のNPOスタッフも休暇を取ったりして、これまでにぎやかだった仮設住宅団地が急に静かに、寂しく感じられることもあります。静かに過ごしたいとおっしゃる方もおられますが、ひとり暮らしの方も参加できるイベントや、不安を感じたときに相談できる窓口の開設などを通して、大震災から初めての年末年始に孤独を感じる人ができるだけ少なくなるような配慮が必要です。

 被災地ではこれからも、仮設住宅や自宅などで暮らしている方々による、生活再建へのチャレンジが続きます。これまで被災地での活動に参加された人だけでなく、力仕事に自信がなくて参加を控えていた人や、交通や宿泊場所に不安があって参加をためらっていた人にも、これからの時期だからこそできる活動に参加して欲しいと思います。
 つらく悲しい出来事が起きた2011年でしたが、人々の絆が深まった年でもありました。被災地で暮らす人々が日本や世界の人々とのつながりを感じながら、新しい年を迎えることができるよう、それぞれの立場で全力を尽くしたいものです。

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3.11復興支援情報サイト 助けあいジャパン 更新停止のご挨拶

サイト「助けあいジャパン」更新停止のお知らせとお願い
いつも公益社団法人「助けあいジャパン」の活動にご理解とご協力をありがとうございます。
私たち「助けあいジャパン」は東日本大震災の発災後いち早くサイトを立ち上げ、いままで情報支援活動・ボランティア支援活動を、プロボノの方々をはじめたくさんの方々のご協力のもと行ってまいりました。
震災から5年半、地道に更新を続けてまいりましたが、このたび、情報支援サイトとしてある一定の役割を終えたと判断し、サイト「助けあいジャパン」の更新をいったん停止させていただこうと思います。
いままでご協力いただいた方々、応援してくださった方々、情報をくださった方々、そして私たちのサイトを見て東北に行ってくださった方々、本当にありがとうございました。
情報支援サイトの更新はいったん停止いたしますが、支援活動に終わりはありません。公益社団法人として、これからもフェーズに合わせた支援活動を続けていきたいと思っております。
なお、熊本地震では「いまできること」(http://imadekirukoto.jp/)というサイトを運営し、情報支援活動を続けております。
今後、ボランティア・ニーズが起こるような大規模災害において「いまできること」サイトを中心に支援活動を行ってまいります。
これからも公益社団法人「助けあいジャパン」をよろしくお願いいたします。

2016年 9月 7日
代表理事 石川淳哉・佐藤尚之